一人で離婚調停をされ、途中から依頼された事例
2021.07.03
<事案の概要>
相談者は、相談に来られた時点で、既に調停を相手方として申し立てられ、実際に調停に行かれていました。
途中、申立人(他方配偶者)に弁護士がついたことが判り、その後の調停において、自分が不利益に扱われている
という風に感じておられました。
<結論等>
お話を伺い、離婚条件等について、十分な吟味なく、調停を成立されかかっていると判断しました。
そこで、まず、離婚について何が問題になっているのか、テーマごとに検討した上で、総合的な解決を図るべきだと考えました。
したがって、受任後は、それまで全く収集されていなかった財産に関する情報を集めました。
また、申立人の主張に対する法的な適否についても検討しました。
本件では、申立人の連れ子さんを依頼者が養子縁組している事案であったため、養育費の検討と離縁の検討が相互に影響する事案でした。
財産分与についても、マイナスの財産についての分与方法についても対立がありました。
このような状況の中、早期に終結させ、かつ、養子関係を離縁することが依頼者にとっては、総合的に最も重要なテーマであった
ため、その点について、調停委員の先生に説明し、他の条件については譲歩するという形で理解を求めました。
結果的には、当職が参加してからは2回目の調停で調停が成立し、早期解決が実現し、婚姻費用の負担がなくなりました。また、養子縁組についても離縁が成立しました。
<弁護士からの一言>
離婚調停は、様々なテーマが検討されます。婚姻費用の調停も併合され、養育費、親権、面会交流、財産分与、養子縁組の離縁なども検討されることがあります。このような離婚調停は、優先順位をつけて臨む必要があります。そして、金銭面でも総合的に考える視点が必要です。例えば、10万円の婚姻費用の額を1万円下げることにこだわるのであれば、1ヶ月離婚を早めた方が、総合的には負担は少なくなることが多いと思います。他方、財産が多額の場合、分与を時間をかけてでも行う方が、。総合的な得られる額が多くなるということもあります。