国税不服審判所について(1)
2021.03.20
以前私は大阪国税不服審判所で国税審判官をしていました。
そこで、今回は国税不服審判所について解説していきます。
みなさん、個人の方は3月に確定申告をされる方もいらっしゃると思います。
法人の場合、会計期間の末日翌日から2か月以内に申告することになります。
また、税金には国税と地方税があります。
その名のとおり、国税は国に納める税金で、地方税は地方公共団体に納める税金です。
国税不服審判所では国税を扱い、地方税については、各地方公共団体が扱います。
もし皆さんが税金について不服があった場合、例えば、裁判で申告したときの課税標準の基礎となっていた事実がなかったことが確定した場合(贈与があったと思って申告したけれど、贈与がなかったと判決で示された場合)などは、通常、国税通則法23条に基づく更正の請求をすることになると思いますが、その更正の請求に対して、税務署が更正をすべき理由がない旨の通知処分を行った場合などは、国税不服審判所に不服申し立て(審査請求)か税務署に対して再調査の請求をすることになります。
この点、いきなり裁判はできないしくみになっています。審査請求前置主義といいます。
直接審査請求をする場合には、原処分(上の例では、更正をすべき理由がない旨の通知処分)の通知を受けた日の翌日から3か月以内に審査請求書を提出しなければなりませんので、不服申立期間には注意が必要です。
提出先は、原処分庁(一般的には税務署の場合が多いと思いますが、国税局等の場合もあります。)の管轄区域を管轄する国税不服審判所の支部(又は支所)に提出することになります。
関西では、大阪国税不服審判所があり、京都と神戸に支所があります。
今回は、まずは簡単に国税についての処分に不服がある場合、いつまでに、どこに不服を申し立てるのかという点について解説しました。
あまり、多くのことを書いても読んでいただけないと思うので、少しずつ解説していきたいと思います。