コラム


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那覇市による孔子廟への使用料免除違憲判決について

2021.02.26

2月24日、最高裁大法廷(大谷直人裁判長)が那覇市による孔子廟への公園使用料免除を違憲と判断しました。
免除された使用料は月額約48万円だったそうです。

これまでも、政教分離を巡ってはさまざまな判決が出されています。

津地鎮祭訴訟、殉職自衛官合祀訴訟、箕面忠魂碑事・慰霊祭訴訟、愛媛玉串料訴訟、空知太神社訴訟など数えればまだまだあります。

憲法20条はいわゆる政教分離を定めています。要するに政治と宗教を分けるということです。

しかし、宗教行事といっても、社会になじんだ風習や習慣になっているものもありますので、それらをすべて違憲としてしまうと、

あまりにも我々の日常にそぐわない結果となります。

そこで、「国家」と「宗教」の「かかわり」については、絶対的に許さないのではなく、「相当とされる限度を超えること」を許さないと考えるのが一般的です(津地鎮祭訴訟の最高裁の見解)。

実際には、さまざまな要素を総合勘案して決められるのでしょうが、その要素としては、与えられている利益の内容・多寡、宗教的施設の場合には、その施設の内容・規模、宗教的影響力、施設で行われる行為の内容、それにかかわる人々の属性、与えられている利益の当該宗教への影響などが考えられるでしょう(私見)。

ニュースを見る限り、祭礼の内容の宗教的性格が強いという判断もあったようです。

政教分離の問題(憲法問題)は、結局、最高裁まで行かないと、なかなか当事者が地裁や高裁レベルで納得ということはない問題なのでしょう。

 

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