一般的なQ&A Q 相談の予約はできるのでしょうか? A はい。可能です。お電話を頂くか、お問い合わせ・相談予約フォームからご予約ください。 お電話の場合は、お名前、ご連絡先、大まかな相談内容をお話しいただければと思います。 Q 日曜日でも相談の電話大丈夫なのでしょうか? A はい。土日祝日関係なく対応しておりますが、外出している場合もございますので、電話がつながらない場合は、お問い合わせ・相談予約フォーム からお願い致します。 お電話の受付時間は10:00~20:00となります。 Q 相談だけでも大丈夫でしょうか? A はい。大丈夫です。ご来所、お電話問わず初回の60分のご相談は無料です。 Q 家族や友人が相談に同席することはできますか? A はい。ご家族やご友人の同席も可能です。但し、ご本人がご同席を拒否されていたり、ご本人とご家族・ご友人との間に利害関係の対立があるなどの場合はご同席いただけません。 Q 他人に知られることはないでしょうか? A 弁護士には秘密を守る義務があります。ご相談内容はもちろん、お名前、ご住所など、ご相談者様を特定できる情報が外部に漏れることはありませんのでご安心ください。 Q 取扱分野以外の相談は無理なのでしょうか? A 通常の生活、仕事関係などに関するご相談であれば、まず対応可能です。ひとまずご相談ください。 Q 相談の際に用意しておくものはありますでしょうか? A ご相談内容に関係のある書類は、できるだけご用意お願いします。あらかじめご相談される内容をまとめておかれると、非常にスムーズになります。 Q 弁護士費用について見積もりは事前に出していただけるのでしょうか? A はい。ご希望のご相談者様には、見積書を作成してお渡ししています。 Q 依頼をする場合、どのような費用がかかのでしょうか? A 弁護士費用には、着手金と報酬があります。着手金は、結果に関わらず、弁護士がその案件を着手遂行すること自体で発生する費用となり、受任時にお支払い頂きます。報酬は、一定の成果があった場合に発生する費用であり、案件の終了時にお支払い頂きます。着手金と報酬の額は、依頼される案件によって異なりますので、受任の前に弁護士からご説明致します。 Q 初めて伺うのですが専用の駐車場はあるのでしょうか? A 申し訳ございませんが専用駐車場はありません。お車でお越しの場合は、近隣のパーキングがいくつかございますのでご利用ください。 一番わかりやすいところで、近鉄百貨店契約駐車場になっているタイムズの立体駐車場(タイムズ近鉄橿原第1)がございます。 Q お支払いは現金だけでしょうか? A はい。申し訳ございませんが、クレジットカード、電子マネーなどではお支払い頂けません。
交通事故Q&A Q 事故にあったのですが、まずすべきことは何ですか? A おおむね以下のことを行うべきです。 ・警察に連絡する。 ・可能であれば、事故現場の写真、相手車両(ナンバープレートや損傷部分)及び自分の車両の写真をとる。 ・相手の氏名、連絡先(できれば勤務先も)、保険会社名を確認する。 ・自分の加入している保険会社に連絡する。 ・明らかに行く必要がないという場合でない限り、基本的に病院に行く。 Q どうして病院に行くべきなんでしょうか? A 事故直後は興奮状態にあり、痛みに鈍感な状況といえます。これまでの経験上、しばらくしてから、痛みが出たという方もいらっしゃいます。事故後時間が経過してから病院に行った場合、検査等でなんらかの結果が出たとしても、相手方から因果関係がないなどという主張をされる可能性が高まります。このようなリスクを回避する上でも、なるべく早い時期に病院に行くことは重要です。その場合、違和感等も含めて、遠慮することなく、お医者様に伝えることが大切です。 Q 事故証明ってそんなに大事ですか? A はい。事故証明は、正式には「交通事故証明書」といいます。交通事故が起こったことを公的に証明するための書類となります。保険金を請求する際には必要となりますので、取得しましょう。任意保険会社も取得してくれます。ただし、警察に届けないと事故証明は発行されませんので、警察に届けることが重要です。ちなみに、道路交通法72条1項には「警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(省略)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない」とされていいますので、事故の場合は、警察に届けてください。 Q 交通事故被害にあった場合の解決までの道のりを教えてください。 A 交通事故被害にあった場合、通常は、相手方は任意保険に加入していることが多いため、まずは相手方任意保険会社との交渉となります。その中で、ケガの状況、車両の損傷具合、過失割合について交渉が始まります。任意保険会社が認める期間の通院中は過失割合によりますが、一般的に相手方任意保険会社が直接治療費を支払ってくれる場合が多いです。しかし、過失分については、最終的には被害者の負担になりますので注意が必要です。そして、症状固定にいたると、後遺障害等級の認定を行い、認められれば、その等級に基づき、後遺障害慰謝料、逸失利益を算出し、その他の損害(入通院慰謝料等)とともに請求することになります。休業損害については、入通院期間が長期化しているときなどは、一時的に請求することもあります。交通事故は、その被害の程度などによって、解決の道のりは多少異なってきます。また、加害者被害者の間で過失割合等について争いがある場合には、訴訟提起して裁判所の判断を仰ぐことになります。 Q 事故にあって、すぐに届出ができなかった場合はどうすればいいですか? A すぐに届出ができなかった場合であっても、後日、なるべく早いタイミングで警察に届けてください。もちろん、事故の相手方が届けている場合には、届け出はされていることになります。ただし、時間の経過とともに、事故現場での物証(破損した物やタイヤ痕など)がなくなったり、当事者の記憶も薄れますので、なるべく早い段階で届出ましょう。 Q 症状固定とは何ですか? A 症状固定とは、これ以上治療を継続しても症状の改善の見込みがない状態をいいます。症状固定と判断された場合、以後の治療費は損害として認められない可能性が高くなります。また、以降の損害は、後遺障害が認められた場合には、慰謝料や逸失利益の請求が認められます。 Q 逸失利益とは何ですか? A 後遺障害が認められ、そのことにより労働能力が喪失した割合に応じて、将来得られるであったはずの収入が得られなくなった場合の「得られるはずであった収入」をいいます。 Q 保険会社が症状固定だと言ってきています。どうしたらいいですか? A 保険会社のいう症状固定時期が正しいときもありますが、そうでない場合もあり得ます。一般的に一定期間がくれば、保険会社は症状固定時期が来たと主張し、治療費の支払を認めないと主張されます。しかし、症状固定は医師の判断に基づくべきものです。同意書を提出している場合、保険会社が医師に連絡して治療経過をヒアリングします。この際のヒアリングの仕方において、実質的に症状固定時期であると主張しているようなヒアリング方法であった場合には、医師は、症状固定と判断してしまうこともありえます。保険会社が症状固定時期と主張してきた場合であっても、ご自身が通院を継続したい場合、そのまま保険会社の主張を受け入れず、医師と面談するなどすることで、適正な症状固定時期が定まる可能性があります。 Q 同意書とは何ですか? A 交通事故被害に遭うと、一般的に加害者側の保険会社から同意書が送られてきます。同意書には、医療情報の取得を目的とするものと医療費の一括払いを目的とするものがあります。医療情報の取得とは、被害者のケガの状態や治療経過を保険会社が知るということです。具体的には、診断書や診療報酬明細書の個人情報の取得ということになります。一括払いとは、治療費の支払、後遺障害等級認定申請、保険対応などの業務を行うことを言います。 Q 同意書にサインしなかった場合は? A 治療費を一旦自分で立て替えることになります。 Q 医師に対して治療経過を確認することも同意の内容になっているのですが、その目的はなんですか? A 保険会社がこのような内容を入れるのは、症状固定時期や後遺障害等級の認定において、保険会社の主張を基礎付けるためと考えられます。 Q 通院費が打ち切られてしまいました。病院には行けないのでしょうか? A 通院自体は自由ですが、通院費はまずは自分で払う必要があります。この場合、訴訟等で通院の必要性が認められれば、通院費は事後的に請求できます。 Q 交通事故被害者が加害者に請求できる損害とはどのようなものがありますか? A 交通事故も民法の不法行為に基づく損害賠償請求ですので、事故と因果関係のある損害はすべて請求できます。具体的には、治療費、通院費、付添看護費、装具費、文書料(交通事故証明書等)、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害の認定があれば後遺障害慰謝料、逸失利益(後遺障害によって労働能力を失ったことによる将来獲得できなくなった収入相当額)などが請求できます。 Q 弁護士費用特約って何ですか? A 弁護士費用特約とは、自動車保険(任意保険)の特約のひとつを言います。弁護士費用特約がつけられていると、交通事故について弁護士に相談、依頼した場合、通常相談料が10万円まで、弁護士報酬が300万円まで、保険会社が代わりに支払ってくれます。対象は、契約者のみならず、ご家族、同乗者も含まれることがありますので、ご自身の保険に弁護士費用特約がない場合でも、ご家族や同乗者の保険を確認されたらよいと思います。また、自動車保険以外の保険にも付帯している場合がありますので、調べてみて、使えるようであれば、ぜひご利用ください。 Q 弁護士費用特約を使うと、保険料(等級)に影響しますか? A 事前に確認されたほうが良いと思いますが、これまで影響した事例はありません。 Q 弁護士費用はどれくらいかかりますか? A 相談料は無料です(弁護士費用特約が利用できる場合には、30分5,500円(税込)を保険会社に請求させていただきます。) Q 後遺障害の等級認定について教えてください。 A 交通事故に遭うと、身体にいわゆる「後遺症」が残ることがあります。例えば、むち打ちの場合、首の痛みが治まらない、可動域が狭くなるなどから寝たきりになる場合など様々です。交通事故に遭うと、身体のさまざまな部分に「後遺症」が残ってしまうことがあります。この場合、通常、被害者はすべて「後遺障害」が残ったと思われるのではないでしょうか。しかし、実際に後遺障害慰謝料を請求するには、「後遺症」のうち、それが労働能力を喪失したといえる程度のものでなければならず、この認定を行うのが、後遺障害の等級認定です。 Q 後遺障害の等級は何等級まであるのでしょうか? A 重い順に1級から14級まであります。例えば、1級の場合、両下肢の用を全廃したものなどがそれに該当します。14級であれば、局部に神経症状を残すものなどが該当します。この局部に神経症状を残すものという判断については、認定について争いが生じることもあります。 Q 後遺障害の等級認定は誰が行うのでしょうか? A 損害保険料率算出機構(自賠責損害調査事務所)が行います。 Q 損害保険料率算出機構とはどういう組織ですか? A 損害保険料率算出機構(損保料率機構)は、損害保険料率算出団体に関する法律(料団法)に基づいて設立された団体(非営利の民間の法人)で、損害保険会社を会員とする組織です。 Q 明らかに相手が悪いのに、こちらにも過失があるといわれてしまいました。どうしたらいいですか? A 過失割合は様々な事情により変わりうるものであり、簡単に判断できるものではないと考えますし、相手側は自己に有利に判断する傾向にありますので、弁護士に相談するなどして、安易に相手の言うとおりにはしない方が良いでしょう。保険会社は、文献のコピーなどを示して、過失割合を伝えてくることが多いですが、その場合も同じですので、専門家に一度相談することをお勧めします。 Q 交通事故事件の証拠とはどのようなものがありますか? A 証拠は何を証明するかによってことなりますが、過失割合や損害を証明する場合に証拠となりうるものには、実況見分調書(警察が作成する事故現場を検証した文書)、車両の損傷状況を示す写真や報告書、事故現場写真、事故当時の道路の状況を証する文書、当日の天気等を証する文書、目撃証人、当事者の証言、ケガの状況を証する文書(カルテ、レセプトなど)、各種領収書、収入状況を証する文書(休業損害証明書、給与明細、源泉徴収票など)などがあります。 Q 健康保険は使えないと聞いたのですが? A 使えます。 Q 健康保険を使うメリットはありますか? A 例えば、相手方任意保険会社が治療費を支払わない場合、自賠責保険を利用することも考えられますが、自賠責保険は限度額が決まっています(120万円)ので、健康保険を使った部分は、自賠責の賠償金を他の損害に充当できることになります。 Q 健康保険を使うデメリットはありますか? A 例えば、健康保険では治療方法は自由診療よりも狭まるため、そのことで受けたい治療が保険で受けられないということが考えられます。 Q 「第三者行為による傷病届」とは何ですか? A 第三者によって傷病等がもたらされたことを届出る文書で、交通事故の場合に健康保険を使う際に必要なります。これによって健康保険者は加害者に請求することになります。事故発生状況報告書、情報開示の同意書、加害者の支払誓約書、交通事故証明書などが必要になります。 Q 事故の加害者になってしまったのですが・・ A 交通事故の場合、過失割合が100:0の場合もあります。明らかに100:0の場合には、加害者が適正な解決を求めるには、適正な損害の算出を求めることになります。具体的には、後遺障害等級や治療の必要性を争ったり、逸失利益の額を争う必要がある場合もあります。このように、事故の加害者になった場合であっても、適正な解決のために行うべきことは存在します。また、そもそも相手方に過失がある可能性があれば、その点についても適正な過失割合認定を求めて行くことになります。 Q 自賠責保険も過失相殺されるのですか? A 自賠責保険は過失割合が7割以上ある場合でないと減額されません。
債務整理・破産申立Q&A Q 自己破産って聞いた事はあるけれど、実際はよくわかりません。 A 自己破産とは破産法という法律に基づいて、債務の返済ができなくなった債務者が申し立てることで開始される破産手続のことをいいます。個人の自己破産では破産申立と同時に免責許可の申立てをしたものとされます。要するに、自己破産を申立て、裁判所から免責許可が下りた場合、債務を返済しなくてもよくなる制度です。 Q 免責不許可事由とは何ですか? A 免責不許可事由とは、その事情があった場合には、債務の免責が認められなくなってしまう可能性のある事情のことをいいます。具体的には、浪費(無駄遣い)、ギャンブルなどで多額の借金をした場合、財産を隠した場合、破産申立の1年前までに経済的な信用に関わる情報について嘘をついてお金を借りた場合、クレジットカードで買い物をして、それを安価で売却した場合、破産申立てをした日から7年前までに免責を受けたことがある場合、裁判所や破産管財人の調査に協力しなかった場合などがあります。 Q 免責不許可事由があれば免責される可能性はなくなるのでしょうか? A いいえ、免責不許可事由があっても、その程度、理由、現在の破産者の生活状況、反省の状況などを考慮して、裁判所が免責を認めてくれることもあります。これを裁量免責と言います。経験上、多くの場合、裁量免責されていますので、正直に免責不許可事由についても、伝えるべきです。 Q 同時廃止とは何ですか? A 破産手続は大きく同時廃止事件と管財事件にわけることができます。同時廃止事件とは、破産手続開始時点において、破産者に財産がなく、免責不許可事由がないことが明白な場合に、破産手続開始決定と同時に破産手続を終了させ、免責許可の手続に移行する場合をいいます。同時廃止の場合には、管財人が選任されませんので、その分費用もかかりません。 Q 管財事件とは何ですか? A 管財事件とは同時廃止事件と異なり、破産者に一定額以上の財産があった場合や免責不許可事由がの存在が疑われる場合に、破産管財人が選任されて破産手続が行われる破産事件をいいます。この場合、破産管財人に対して報酬を支払う必要がありますので、同時廃止事件に比べて費用がかかります。なお、配当見込みがないと判断された場合には、破産手続は終了となり、免責手続に移行することになります。このことを異時廃止といいます。 Q 破産した場合、財産は一切残せませんか? A 一定の財産は残せます。例えば、管財事件の場合、破産手続開始決定後に取得した財産(新得財産)や差押禁止財産、99万円以下の現金、自由財産拡張が認められた財産、管財人が放棄した財産などは残すことができます。 Q 同時廃止と管財事件の選択基準はありますか? A はい。各裁判所によって運用は異なりますが、一定の基準が設けられています。大阪地裁の場合、現金及び預貯金が50万円を超える場合には原則として破産管財人を選任することとされています。また、現預金以外の個別財産が各20万円以上の場合も管財事件とされます。このほか、実質的に財産の事情を考慮して決定されることになっています。 Q 現預金以外の個別財産とは? A ①普通預貯金以外の預貯金、②保険の解約返戻金、③積立金等、④賃借保証金・敷金の返戻金、⑤貸付金・求償金等、⑥退職金、⑦不動産、⑧自動車、⑨上記以外の動産、⑩①ないし⑨以外の財産⑪近日中に取得することが見込まれる財産、⑫過払金です。 Q 過払金とは何ですか? A 過払金とは、法律(利息制限法)が定めた利率を超える利率の利息を支払っていた場合に、法律が定めた利率を超える部分について、貸金業者等に対して、「払いすぎた」として返還請求できるお金のことを言います。 Q 今でも過払金請求はできますか? A 借入利率、最終取引日から10年が経過していないかなどの事情によりますが、請求できる可能性はありますので、ご相談ください。 Q 住宅だけは残したいのですが、債務を圧縮することは可能でしょうか? A 住宅ローン特則のある個人再生手続を利用することで、住宅ローンだけはこれまで通り払い、その他の債務を減額することが可能となります。 Q 個人再生とは? A 個人再生とは、再生計画案という債務の返済計画を策定し、裁判所に認可してもらうことで、債務を大幅に減縮して計画的に返済していく手続です。 Q 個人再生は何年間で借金を返済するのでしょうか? A おおむね3年ですが事情により5年まで延長することができます。 Q 個人再生では借金はどの程度減額されますか? A おおむね5分の1~10分の1程度です。100万円は最低限弁済しなければなりませんし、破産した場合よりも債権者が不利になるようにはできません。また、給与所得者等個人再生の場合には可処分所得の2年分を下回ることはできません。 Q 個人再生にも種類があるのですか? A 小規模個人再生と給与所得者等個人再生があります。 Q 小規模個人再生と給与所得者等個人再生の違いを教えてください。 A いずれも自然人であること、再生債権総額が5,000万円を超えない、将来において継続的又は反復して収入を得る見込があることが条件となっていますが、給与所得者等個人再生の場合、加えて、給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込がある個人債務者であってかつその変動の幅が小さいと見込まれることという条件必要となってきます。このような違いから給与所得者等個人再生の場合、再生計画案に債権者の決議が要求されません。しかし、可処分所得の2年分が最低弁済の基準となりますので、メリット・デメリットがあります。当職の個人的見解としては、原則として小規模個人再生を選択し、例外的に債権者の決議に不安のある場合に給与所得者等個人再生を選択すべきと考えます。 Q 可処分所得とは? A 簡単に言うと、収入から公租公課(税金など)や最低生活費を控除したものをいいます。 Q 自己破産や個人再生などは利用せず、交渉で借金を減額できませんか? A 任意整理という方法が考えられます。あくまで任意に合意するものですので、合意が得られない可能性はあります。合意できれば、将来利息を免除してもらったり、一定の返済期間を定めた上で、返済計画について合意するなど合意内容は柔軟に定めることができます。 Q ブラックリストとはなんですか? A 債務の話で出てくるブラックリストは、信用情報機関に事故情報として登録されることを言います。ブラックリストに登録されるのは、自己破産、個人再生、任意整理、返済の遅れ(一定期間以上の遅れ)があった場合などです。登録期間は一般に5年から10年と言われています。あくまで各金融機関等の判断ですが、ブラックリストに登録されると登録期間中はカードを作れないなどということが生じます。
相続・遺言Q&A Q 遺産の分割をしたいのですが、どのような方法がありますか? A 遺産分割協議という当事者(代理人がつく場合はあります。)任意の交渉をまず行います。当事者のみの交渉で合意しない場合には、裁判所が関与する遺産分割調停や遺産分割審判があります。 Q 遺産分割調停とは何ですか? A 遺産分割協議が合意に達しない場合、家庭裁判所に遺産分割調停の申立てを行います。この手続は、裁判所に間に入ってもらいながら、相続人らが交渉をする手続です。調停はあくまで当事者にイニシアチブがありますので、合意に至らない場合もあります。 Q 私は奈良県橿原市に住んでいますが、他の相続人は大阪市と東京都世田谷区にいます。この場合、遺産分割調停はどこの家庭裁判所に申し立てることになりますか? A 大阪家裁か東京家裁のいずれかに申し立てることができます。また、合意できるのであれば、合意で定めた家庭裁判所に申し立てることができますが、紛争に発展している場合、難しい場合が多いでしょう。 Q 私は奈良市に住んでおり、他の相続人が大阪市と東京都に住んでいます。どうしたら、奈良家裁で調停が可能でしょうか? A 他の相続人が調停を奈良家裁に申し立てることで可能になります。 Q 大阪家裁に調停が申し立てられました。8人の相続人の内7人が東京に住んでいます。大阪家裁で調停をするしか方法はありませんか? A 裁判所は職権で他の適切な裁判所に事件を移送することができますので、移送の必要性を上申して、職権発動を促すことは一つの方策だと思います。このほか、遠方地対策としては、裁判所が認める場合には電話会議で調停を行うことも可能です。 Q 遺産分割審判とは何ですか? A 法律の考え方は、遺産分割は第1次的には当事者の話し合いで決すべきと考えています。しかし、話し合いで決着がつかない場合には、最後は、裁判所が遺産分割の方法を決める他ありません。この裁判所が遺産分割の方法を決める手続が遺産分割審判です。なお、調停を経ずに審判を申立てることも可能ですが、調停が成立しないなんらかの理由がないかぎり、一旦は調停に付される可能性が高いでしょう。 Q 遺産分割審判が始まれば、もう調停はできないのでしょうか? A 当事者が合意すれば調停成立となる可能性はあります。 Q 遺産分割調停や遺産分割審判はどれくらい時間がかかりますか? A 時間の質問は多く受けますが、相手方のあることなので、一概には言うことはできません。半年から1年程度はかかると考えた方が良いと思いますが、半年以内に終わる場合もありますし、2年以上かかる場合もあります。 Q 遺産分割審判に不服がある場合はどうなりますか? A 即時抗告という不服申し立てが可能です。即時抗告は、審判の告知から2週間以内に高等裁判所に申し立てます。なお、抗告状の提出先は家庭裁判所になります。 Q 再度の考案という言葉を聞いたのですが、どういう意味ですか? A 遺産分割審判でいうと、家庭裁判所が審判を改めて見直し、誤りがあれば家庭裁判所が更正することを言います。 Q 即時抗告の決定に不服があればどうすればいいですか? A 最高裁判所に特別抗告・許可抗告の申立てを行うことができますが、憲法違反等の場合に認められるものですから、結論が変わることは期待できない場合が多いと言わざるを得ません。 Q 遺言があれば、遺言書に基づいて相続財産をわければ良いのではないでしょうか?わざわざ遺言執行をお願いする必要はありますか? A 遺言書に基づいて相続財産を分けることに相続人が同意している場合には、問題は起こらないと思います。しかし、遺言で認知をする場合などには遺言執行者を定めなければなりませんし、相続人間で信頼関係が崩れている場合や、遺産を実際に分割するのに訴訟等を必要とする場合には、遺言執行者を選任しておいた方がスムースに遺言の内容が実現できると思います。 Q 遺言執行者は何をするのですか。 A 遺言執行者は、遺言の内容を実現するために選任されています。それゆえ、相続人に対して遺言の内容を通知して、財産目録を作成し、相続人に交付しますることで、遺言執行の前提を整えます。そして、実際に遺言の内容を実現して行く際には、預貯金の払い戻し、株式や不動産の名義変更、認知、相続人の排除、保険金尾受取人変更など遺言実現にむけて行動します。 Q 遺言が無効になることはあるのですか? A 遺言というと、紙に思いを書けば良いと思われている方もいらっしゃるようですが、法的には、遺言が有効になるための要件(条件)があり、それらを充たしていない場合には、法律的な遺言の効力が認められないということになりかねません。例えば、自筆証書遺言の場合、「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」と決められていますので、遺言者が日付を書き忘れた場合、無効とされてしまいます。 Q 遺言の方式について教えてください。 A 民法967条には「遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。」と定めらています。最初に3つ示されているのが普通方式と呼ばれ、特別の方式には、2種類あります。自筆証書遺言は、被相続人自ら自筆で書く方法です。自分で遺言の全文・氏名・日付を自書し、押印します。公正証書遺言は、言葉通り、公正証書にして作成する方法です。本人と証人2名で公証役場へ行き、本人が遺言内容を口述し、それを公証人が記述してくれます。秘密証書遺言も、文字通り、秘密にできる遺言です。本人が署名・押印した後、封筒に入れ封印して公証役場で証明してもらいます。 Q どの方式の遺言がおすすめですか? A 自筆証書遺言は、簡単にできるというメリットがあります。公正証書遺言は、検認手続が不要で、公証人が関与するので無効になる可能性は低くなります。秘密証書は秘密性が高いというメリットがあります。個人的には、公正証書遺言が総合的に考えて、最も安全かと思っていますが、それぞれの目的に応じて選択するべきでしょう。 Q 公正証書遺言の方法について教えてください。 A まず、証人が二人以上立ち会わなければなりません。遺言者は遺言の趣旨を公証人に口授しなければなりません。そして、公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせるか閲覧させなければなりません。遺言者及び証人が、筆記が正確であることを承認した後、各自署名押印します。公証人は、その証書が方式に従って作成されたものである旨を記載して署名押印します。 Q 公正証書遺言の際、遺言者が署名できない場合はどうすればよいですか? A 公証人がそのことを付記して、署名に代えることができます。 Q どうして公正証書遺言には証人が二人必要なのでしょうか? A 人違いの防止、遺言が正常な判断に基づいて行われていることの確認などのためです。 Q 公正証書遺言の際に証人になれない人はいますか? A 未成年者、推定相続人・受遺者及びその配偶者並びに直系血族、公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇い人はなれません。 Q 遺留分とは何ですか? A 遺留分の制度とは、例えば遺言で「全財産をAにあげる」と書かれていた場合に、本来は相続するはずだった一定の相続人に最低限の財産が確保できるようにした制度です。そして、この最低限の財産を「遺留分」といいます。 Q 相続人はすべて遺留分を主張できるのですか? A いいえ。遺留分は、被相続人の配偶者、子などの直系卑属、父母など直系尊属には認められていますが、兄弟姉妹には認められていません。 Q 遺留分は自動的にもらえるのですか? A いいえ。遺留分は主張する必要があります。この主張を「遺留分侵害額請求」(以前は、「遺留分減殺請求」と言いました。)といいます。 Q 遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)に時効はありますか? A 遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅します。相続開始の時から10年を経過したときも、同様です。 Q 相続放棄をしてしまいましたが、遺留分を主張できますか? A できません。 Q 遺留分の割合を教えてください。 A 直系尊属のみが相続人の場合は3分の1です。その他の場合は2分の1です。相続人が複数いる場合、各自の相続分を掛けた割合となります。 Q 遺留分を算定するための財産の価格について教えてください A 遺留分を算定するための財産の価格は、被相続人が相続開始のときに有していた財産価格に相続開始前の一定期間に贈与した財産価格(例外あり)を加えた額から債務の全額を差し引いた額となります。なお、条件付き権利や存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価にしたがいます。 Q 被相続人は相続人に損害を加えることを知って贈与しました。このことは、贈与を受けた側も分かっていました。しかし、この贈与は3年前です。やはり、遺留分を算定するための財産には含まれないのでしょうか? A たしかに相続人に対する贈与以外については、原則1年前の贈与が対象です。しかし、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年前の日より前に贈与した場合でもその価格を遺留分を算定するための財産として算入します。 Q 民法改正によって変わった点について教えてください。 A 例をあげますと、改正前は、相続人に対する生前贈与は、いつまでも遡って遺留分算定の基礎としていました。しかし、改正民法では、相続人が亡くなる10年以内となりました。 Q 遺留分算定の際に、相続人に対する贈与とその他の人に対する贈与では期間以外に違いはありますか? A 相続人に対する贈与の場合は、婚姻もしくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価格に限るとされています。 Q 婚姻もしくは養子縁組のための贈与って何ですか? A 結婚した場合には結納金や持参金が親から子に対して贈られることもありますので、そのような金員が考えられます。 Q 生計の資本としての贈与の具体例を教えてください。 A 例えば、親が子に居住用住居を贈与したりすることが挙げられます。 Q 生前に被相続人から贈与を受けた財産が勝手に取ったと言われ、相続人から訴訟提起され、結果、敗訴しました。贈与税は返してもらえますか? A 更正の請求が可能な場合があります。
離婚相談Q&A Q 住宅ローンを払っているので、婚姻費用は減額されますか? A 住宅ローンの支払いが婚姻費用の算定をするうえで考慮される場合はあります。 しかし、住宅ローンは、資産形成のための費用とみられ、この支払によって婚姻費用の額に影響する場合は、例外的な場合といえます。 例えば、婚姻費用の権利者が住宅ローンの対象になっている住宅に居住し、義務者が支払っている場合、義務者が権利者の家賃を支払っているのと同じ関係になるため、考慮される場合があります。逆の場合も同じで、権利者が居住する義務者のために支払っている場合も考慮される場合があります。 ※義務者:婚姻費用の支払義務者 ※権利者:婚姻費用の受取権利者 Q 事実婚にデメリットはありますか? A 現時点では税務上、事実婚を法律婚と同様に扱っていませんので、配偶者控除などが受けられないという点はデメリットだといえます。 Q 離婚したいのですが、相手が離婚してくれません。どうしたらいいですか? A まずは、別居している場合や生活費を入れてもらっていない場合には、婚姻費用の請求をすべきでしょう。離婚は原則的に相手の同意がなければすぐにはできません。それまでの間の生活をまずは考えるべきです。そして、同時並行で離婚調停を申し立て、相手の意思が強固であれば、調停に固執せず、調停不成立にしたうえで、訴訟提起すべきでしょう。ただ、なぜ相手が離婚したくないかという原因を検討することをせず、やみくもに調停、訴訟を進めるべきではないと考えます。面会交流の回数だけが問題となっているようなこともあるので、その場合、子供の福祉の視点を十分持ったうえで、譲歩した方が良いという場合もあります。一切譲歩すべきでないというケースもあるかもしれませんが、自分にとって最終的に最大の結果をもたらす方法は何が最善かという視点を忘れてはなりません。 Q 離婚調停は必ず必要ですか? A 協議して、離婚が合意できる場合、離婚調停の必要はありません。家事事件手続法第257条には、調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならないと定めていますので、協議して離婚の合意に至らない場合には、まずは調停を行う必要があります。もし調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、裁判所は、職権で、事件を家事調停に付さなければなりません。ただし、裁判所が事件を調停に付することが相当でないと認めるときは、この限りではありません。 Q 婚姻費用って何ですか? A 簡単に言えば、生活費のことです。この場合の生活費は、養育費と異なり、配偶者の生活費も含みます。 Q 妻の方が収入が多いのですが、婚姻費用は支払う必要がありますか? A 収入の格差、子の養育をどちらがしているかということも関係してきます。未成年の子や未成熟子がいない場合には、この場合、婚姻費用は妻が支払う必要があります。 Q 未成熟子とはどういう意味ですか? A 経済的に自立していない子のことを言います。必ずしも未成年とは限りませんので、二十歳を超えた大学生などが想定されます。 Q 婚姻費用分担請求と離婚調停を同時にできますか? A はい。一般に、そのような場合の方が多いように思います。 Q 婚姻費用と養育費は違うのですか? A はい。婚姻費用は離婚するまでの生活費であり、養育費は離婚後の子の養育にかかる費用です。 Q 未成熟子の生活にかかる費用はどのように決まりますか? A 養育費には算定表が存在しますが、未成熟子の生活費はより一層個別的な事情を勘案して決定されることになります。 Q 養育費は子が何歳になるまで支払う必要がありますか? A 個別の合意によりますが、基本的には20歳です。大学に進学することが明白な場合は、22歳ということになる場合もあります。 Q 婚姻費用や養育費は算定表があると聞きました。そうすると、それですべて決まるのでしょうか? A 基本的には算定表に従いますが、算定表では割り切れない個別的な事情がある場合もあり、その場合には、決まった計算方法によらず、個別具体的に算定することになります。 Q 算定表の年収とは手取りですか?支給額ですか? A 給与所得者の場合、源泉徴収票の「支払金額」をいいます。ちなみに、自営業者の場合、確定申告書の「課税される所得金額」をいいます。なお「課税される所得金額」は、税法上、種々の観点から控除がされていますので、実際に支出されていない費用(例えば、基礎控除、青色申告控除、支払がされていない専従者給与など)を加算する必要があります。また、児童扶養手当や児童手当は子のための社会保障給付ですから、年収に含める必要はありません。 Q 浮気した妻に婚姻費用を支払わなければならないのですか? A 基本的には婚姻費用は浮気とは関係がないといえ、支払う必要があります。ただし、事情によっては、支払う必要がないとされる可能性はあります。 Q 婚姻費用はどうやって決まりますか? A まずは当事者の協議によりますが、それで決まらない場合には調停が申立てられます。調停でも決まらない(不成立)の場合、自動的に審判手続に移行し、裁判官が決定します。 Q 夫から「お前は無職だから親権者になれない」と言われました。本当でしょうか? A 無職であっても、ご両親の援助や養育費によって子を養うことができます。親権は、子どもの福祉にとって何が最も良いかという視点が重要です。それまで誰が養育してきたか、子供の年齢によっては子供の意思、親の環境などすべての事情を考慮して決定されることになると考えます。
企業法務Q&A Q 顧問弁護士をつけたいが、顧問料が気になる。 A 当事務所では、既定のプランの他に、クライアントに応じてカスタマイズも可能です。例えば、相談時間を短く設定することで、顧問料を5,500円(税込)や11,000円(税込)とすることも可能な場合がありますので、弁護士に相談することも少ないけれど、顧問弁護士をつけたいという事業主・法人様は、ぜひご検討ください。 Q 顧問って何をしてくれるの? A 当事務所顧問契約においては、依頼法人、事業主の事業について、些細な相談であっても顧問料の範囲内で自由にご相談いただけます。また、事業以外の相談であっても、法人役員や法人従業員(法人の許可がある場合)、事業主個人の法律相談であっても、顧問料の範囲内でご相談いただけます。このほか、契約書の作成、企業内研修、講演会での講演なども顧問契約のプランによっては可能となっています。 Q 顧問弁護士に法務部的な役割を担ってほしい。 A 当事務所では、既定のプランの他に、クライアントに応じてカスタイマイズも可能です。これは、顧問料を安くする方向だけでなく、顧問に基づく業務を拡大する方向でも可能です。クライアントが望まれる役割をおっしゃっていただければ、対応可能な場合には、カスタマイズした上で、顧問契約を結ばせていただけます。 Q 奈良あさひ法律事務所の顧問料を教えてほしい。 A 当事務所ではお客様の要望にそえるよう複数のプランを用意させていただいております。顧問料についてはこちらをご覧下さい。 Q 労働者を解雇したいが問題はないか? A 解雇は、使用者がいつでも自由に行えるものではなく、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、解雇が認められません(労働契約法第16条)。相談者様が解雇したいと思われる事情等をお聞かせいただいた上で、最善の策を検討したいと思います。 Q 勤務態度に問題がある従業員がいる。業務命令にも違反するので、解雇したい。 A この場合、基本的に従業員に落ち度がある場合です。但し、解雇する場合には、勤務態度の内容、業務命令の内容、違反の程度、回数、会社が被った損害の内容、労働者の故意過失の有無を検討した上でないと、解雇が無効とされる可能性があります。 Q 労働基準法で解雇が禁止される主な場合を教えてほしい。 A 例えば、業務上災害のための療養中の期間とその後の30日間の解雇、産前産後休業期間とその後の30日間の解雇、労働基準監督署に申告したことを理由とする解雇があります。 Q 労働組合法で解雇が禁止される主な場合を教えてほしい。 A 例えば、労働組合の組合員であることなどを理由とする解雇があります。 Q 男女雇用均等法で解雇が禁止される主な場合を教えてほしい。 A 例えば、労働者の性別を理由とする解雇や女性労働者が結婚・妊娠・出産・産前産後に休業したことなどを理由とする解雇があります。 Q 育児・介護休業法で解雇される主な場合を教えてほしい。 A 例えば、労働者が育児・介護休業などを申し出たこと、又は育児・介護休業などをしたことを理由とする解雇があります。 Q 解雇予告とは何ですか? A 使用者は、解雇をするについて合理的な理由があっても、解雇を行う場合には少なくとも30日前には解雇をすることを当該従業員に通知しなければなりません。 Q 解雇予告をしなかったらどうなるんですか? A その場合、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。予告の日数が不足している場合(30日未満の場合)は、その不足日数殴分の平均賃金を、支払う必要があります。 Q 期間の定めがある契約を締結しているのですが、期間終了で雇い止めしたいと思っています。問題はないですか。 A 期間の定めのある労働契約は、原則として、契約期間が経過すれば労働契約は終了します。しかし、それまでに3回以上労働契約が更新されている場合や1年を超えて継続勤務している労働者については、契約を更新しない場合は、30日前までに予告する必要があります。また、反復更新の実態等から、実質的に期間の定めのない契約といえる場合には、雇い止めをすることに客観的・合理的な理由が必要となり、社会通念上相当と認められない場合には、雇い止めが認められないことになります。 Q 不況で経営が不振に陥り、解雇せざるをえないと思っています。問題ないでしょうか? A このような経営不振により解雇せざるを得ない場合を「整理解雇」といいます。整理解雇も自由に認められるわけではなく、人員削減の必要性、解雇回避の努力、人選の合理性、手続の妥当性(これらを整理解雇の4要件などといいます。)を検討必要があります。 Q 退職勧奨した後で、解雇しましたが、これで解雇予告の要件は充たされていますか? A いいえ。退職勧奨は、退職を促す行為であり、解雇予告は解雇することを事前に伝える行為であり、異なります。 Q 退職勧奨が違法になることはありますか? A 退職勧奨の方法等によってありえます。特に使用者が自由な意思決定で退職したと言えないと判断された場合には違法とされる可能性があります。 Q 退職勧奨に応じて退職した場合は、自己都合と考えてよいですか? A 退職勧奨の内容を吟味する必要はありますが(そもそも退職勧奨と言えるのかなど)、基本的に自己都合による退職とはなりません。 Q 新しく会社を設立するには何が必要ですか? A 会社の形態の決定、定款の作成、資本金の準備、法人登記、税務署等への届出などが必要になります。また、労務関係では就業規則の作成(10人以上雇用する場合)する必要があります。また、業種によっては、契約内容に応じた各種契約書のひな形を作成しておいたほうがその後の業務をスムースに進めることができます。 Q 会社の形態にはどのようなものがありますか? A 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社があります。 Q 株式会社は聞いたことがありますが、合名会社や合資会社、合同会社について教えてください。 A 合名会社、合資会社及び合同会社を持分会社といいます。持分会社は、株式ではなく、出資をすることで、会社資本を作り出します。この出資者を社員と言います。合名会社である場合、社員全員無限責任社員(社員が会社の責任を出資の範囲を超えて負う)となります。合資会社である場合、社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員(出資の範囲で責任を負う)とします。合同会社である場合、全員が有限責任社員となります。 Q 株式会社と合同会社は似ているようですが、どう違いますか? A 株式会社も合同会社も有限責任となりますし、設立費用も安くすみます。日本版LLCなどと呼ばれたりもします。ただ、合同会社は、株式を発行しませんので、資金調達をする際、株式会社に比べて方法が限定されてきます。このような資金調達の必要性が生じた際には、株式会社に変更するということも検討されると良いでしょう。 Q 会社では、書店で売っている契約書のひな形を使っているがそれで大丈夫ですか? A 業界によっては、業界団体がひな形を作成しているところもあると思います。そのようなひな形は、その業界特有の事情に対応しているため、ひな形そのものを使用して問題が生じる可能性は低くなります。ただ、契約によっては、ひな形に記載されていない内容となる場合もありますので、その場合、ひな形をそのまま使用すれば、思っていた内容と異なる契約を締結する危険があります。このような場合、原則として、契約書どおりの契約を締結したとされてしまいますので、事前にひな形をチェックした上で、ひな形は使用してください。 Q 中小企業を経営しているが、息子が後を継がないと言っている。会社自体は黒字だし、技術を受け継がないのはもったいないと思うのだが、どうしたらいいか? A まずは、息子さんが後を継ぎたくない理由を明確にすべきです。今の仕事をやり続けたいというような場合のほか、本当は事業を継ぐことに興味はあるものの、自信がないなどの理由でためらっておられる場合もあります。そして、それでも継がないということになれば、他の親族への承継、従業員等への承継、親族外承継を検討されることになります。事業承継の方法は、会社の形態によっても異なりますが、株式会社の場合であれば、株式の譲渡を行うことで簡易に承継することができますが、事前の手順を踏まないで行った場合、従業員が付いてこない、取引先との関係に問題が生じる可能性もあります。事業承継を検討されている場合、一度ご相談ください。 Q 親族内承継で気をつけた方が良いことはありますか? A 親族内承継の場合、推定相続人が複数いる場合、会社を引き継ぐことが生前贈与にあたる場合があります。この場合、遺留分減殺請求(最低限相続人に保証された遺産の請求)がされる可能性があります。この場合の対応としては、非後継者と良好な関係があれば、遺留分の事前放棄を家庭裁判所に申立ててもらうなどが考えられます。また、非後継者が株式を取得した場合には、会社が買い取ったり、種類株式へ変更するなどの手段も検討されると良いと思います。 Q 遺留分に関する民法特例の内容を教えてください。 A 遺留分に関する民法特例は、事業承継における課税上の問題を克服するために創設された制度です。経営承継円円滑化法において定められています。これには、除外合意と固定合意があります。除外合意とは、生前贈与された株式等の価格を遺留分算定基礎に算入しない合意をいい、固定合意とは、遺留分算定基礎に算入する一方で、評価額は贈与時における評価とするものです。除外合意はわかりやすいですが、固定合意をするメリットは、通常相続においては、相続時の評価を基準に相続財産を評価します。そうすると、生前贈与を受けた事業承継者が、がんばって企業価値を高めれば高めるほど、生前贈与の評価が高くなってしまうという現象が生じるため、そのような事態に備えて、固定合意が定められました。このほか、除外合意や固定合意とともに、付随合意をすることで、後継者が生前贈与された株式等以外の財産や非後継者が生前贈与された財産についても遺留分の基礎から除外することが可能となります。 Q 平成28年4月1日から制度が変更になったと聞きました。 A それまでは、対象が親族内承継に限定されていましたが、親族外承継にも拡充されました。 Q 除外合意や固定合意後に後継者が代表者を退任した場合はどうなりますか? A 当然には合意は無効にはなりません。ですので、あらかじめ後継者以外の推定相続人がとることができる措置を定めておくことで、このような事態に対応することになります。例えば、退任した場合には、後継者が定められた金銭を支払うなどのペナルティを定めることもできると考えられます。 Q 後継者が所有する株式等のうち除外合意や固定合意の定めのないものに係る議決権の数が総株主又は総社員の議決権の100分の50を超える数となる場合でも遺留分に関する民法特例は適用されますか? A されません。 Q 遺留分に関する民法特例の適用を受ける手続を教えてください。 A まず合意後1ヶ月以内に後継者が遺留分に関する合意について経済産業大臣の確認申請を行い、確認後1ヶ月以内に家庭裁判所の許可申立てを行います。 Q 取引先が倒産寸前と聞きました。どうしたらいいですか? A その会社との取引関係を正確に把握することが重要です。具体的には債権リストと債務リストを作成し、相殺が可能であれば、相殺します。また、場合によっては、取引を停止し、被害を最小限に止めることも重要になります。代物弁済や商品の回収なども検討には値しますが、まずは、相殺や担保権の実行で債権回収できるのであれば、そうすべきと考えます。破産申立直前に代物弁済を受けた場合には、偏頗弁済として破産管財人から否認権を行使される可能性があります。納品商品の引き上げについても承諾無く引き上げた場合、窃盗罪にあたるとされる可能性があります。所有権を留保している商品であっても、相手方の立ち会いのもと行い、確認書等相手方に書面で確認してもらいましょう。所有権留保がない場合、契約を債務不履行解除したうえで、当該商品は返還を求める等の手段が考えられます。なお、このような場合に備えて、日頃の契約書には所有権留保条項や期限の利益喪失条項を入れるなど予防法務を充実させることがよいでしょう。 Q 動産先取特権って何ですか? A 法律が定めた法定担保物件の一つです。この動産先取特権を行使することも倒産寸前の会社に対する債権回収の手段となります。商品(動産)を貴社が売却した場合、その商品の代金と利息について、優先的に弁済を受けることができます。具体的には、担保権実行としての動産競売申立を行い、差押えたのちに、競売にかけ、競売代金から配当を受けることになりますので、手間がかかりますが、破産手続においては「別除権」として、他の破産債権とは別に取り扱うことができるため、強い効力を有すると言えます。また、既に商品が転売されていても、転売代金が未受領の場合には、その代金を差し押さえることが可能です。 Q 取引先が支払をしてくれません。どうしたらいいでしょうか? A 取引先との関係もあると思います。なんでもかんでも、内容証明郵便を送りつけ、仮差押や訴訟提起をすれば良いというわけではないと思います。したがって、電話での催促、弁護士名義の内容証明郵便送付、支払督促の申立て、仮差押、訴訟提起などが考えられますが、これらのどの手続をとるべきかは、取引先の状態やこれまでの経緯によって異なります。訴訟提起し、勝訴したとしても取引先が支払わない場合には、強制執行となります。弁護士が介入する場合は、一般的には内容証明郵便を弁護士名義で送付し、交渉を経る場合もありますが、最終的に支払わない場合には、訴訟提起することになる場合が多いと思います。
その他Q&A Q 新型コロナ対策はどのようにされていますか? A 当事務所では、下記の対策を行っています。 ・打合せテーブルには高さ90㎝のアクリルパーテーションを設置しています。 ・職員は検温を実施しております。 ・オンライン相談を実施しております。 ・窓を一部開けるなど事務所内の換気に努めております。 ・予防対策として事務所内ではマスクを着用させて頂きます。 ・次亜塩素酸空間清浄機Panasonic ziaino(ジアイーノ)を設置しています。 ・加湿器を設置しています。 Q お金を貸しても返してくれない。どうしたらいいですか? A お金を貸した場合、貸したことが明らかであれば、弁済期に相手が返さないとなると、強制執行も含めて手段を検討しなければなりません。ただ、相手方の資力が全くない場合には、債権回収は困難となる可能性が高くなるため、まずは、相手方の資力を調べるのが先決ではないかと考えます。 Q 相手方の資力がない場合でも債権の回収は可能でしょうか? A 例えば、相手方に対して債権がある場合、相手方もあなたに債務を有していたのであれば、相殺することが可能でしょう。また、相手方に債務がある人にあなたの債権を譲渡したうえで、その譲渡を受けた人が相殺(相殺できる条件がそろっていることが前提)するということも考えられます。ただ、相手方が支払い停止に陥っている場合には、破産管財人が選任された場合、否認権を行使される可能性はあります。これらのほか、担保権の行使等、資力がない場合であっても債権の回収は不可能になるわけではありません。 Q 令和2年4月から財産開示制度が変わると聞きましたが、どのようになったのでしょうか。 A 一部施行時期が遅れるもの(不動産の情報取得)もありますが、令和2年4月から新しい財産開示制度が始まります。以前から財産開示制度はありましたが、実効性が低いとして議論されてきました。そこで、今回の改正では、財産開示において裁判所に出頭しない、うそを言うなどした場合6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金という刑罰が科されることになりました(以前は30万円以下の過料)。また、以前は、債務名義の正本に限定が加えられていましたが、そのような限定はなくなりました。 Q 民事執行法の改正によって情報取得も充実したと聞きましたが、どのようになったのでしょうか? A 不動産に関する情報は、登記所に対して求めることができるようになり、養育費や生命・身体に関する損害賠償請求権がある場合、市町村や日本年金機構から勤務先情報を取得することができるようになりました。預貯金や株式の情報についても、銀行や証券保管振替機関などに対して請求することができるようになりました。 Q 財産開示手続はどのような場合に可能ですか? A 執行力を有する債務名義の正本を有する金銭債権の債権者であること、失効開始要件を備えていること、強制執行の不奏功等、債権者が3年以内に財産開示手続において財産を開示した者ではないことが要件になります。この手続きを前提に情報取得できる場合と前提にせずできる場合があります。預貯金等の情報は財産開示手続を前提としていませんが、不動産や給与債権の情報は、財産開示手続を前提としています。 Q 預貯金の情報って具体的にはどのような情報ですか? A 債務者の口座情報です。支店、種別、口座番号、残高などがこれにあたります。 Q 株式の情報とはどのような情報ですか? A 株式銘柄、株数、金額がこれにあたります。 Q 公園を散歩していたら、いきなり犬に噛まれました。何か相手に請求できませんか? A 例えば、奈良県では動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)を受けて、奈良県動物の愛護及び管理に関する条例というものを制定しています。この条例の第五条では、「犬の飼い主は、(略)、次に掲げる事項を遵守しなければならない。」として、「次に掲げる方法により、常に、飼養する犬が人の生命等を侵害することのないようにしておくこと。」と定めています。そして、「次に掲げる方法」としては、「飼養する犬を連れ出す場合にあっては、飼養する犬の形態、性状等に応じ、丈夫な綱、鎖等で保持する等これを制御できるようにしておくこと。」と定めています。このような条例は各地に存在します。ですから、飼い主は公園で散歩をさせる場合には、犬をリードなどでつなぎとめて制御しなければなりません。民法では、「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない。」と定めていますが、上記のように、リードをしていないということは明らかに不注意が認められ、責任を免れるのは困難でしょう。 Q 犬に噛まれたときに損害賠償が請求できるのは分かりましたが、何か気を付けておくことはないですか? A 犬に噛まれた場合、飼い主が近くにいないということがあります。また、噛まれた本人は恐怖もあって、飼い主を確認せず、病院に行くこともあるでしょう。このような場合、たとえ、のちに飼い主が判明したとしての、飼い主は自分の飼い犬が噛んだところを見ていなかった場合などは特に、責任を認めないということもあり得ます。そして、このまま何の情報もなく訴訟を提起しても、証拠がないことから請求が認められない可能性もあります。ですから、自分は病院に行ったとしても、誰か一緒に人がいた場合には、飼い主を見つけて、連絡先を聞いてもらう、リードを付けていたなかったことを証明するため、犬がうろついていたらその写真を撮るなどの証拠の収集が重要になります。 Q (地方公共団体の場合も基本的に同様)に情報公開請求したけれども、ほとんど黒塗りで知りたい情報が知れなかった。黒塗りの理由も納得いかない。どうすればいいの? A 私も国家公務員として情報公開請求される側にいましたが、国を相手に行政訴訟をすることは、簡単なことでないというのが実感です。例えば、情報公開請求事件の場合、日本には証拠調べとしてインカメラ手続(裁判官が非公開とすべきかどうか判断するために非公開部分を確認する制度)が存在しないため、多くの場合、行政が主張する非開示理由が相当であるとされ、決定を取り消す判決は極めて出にくい状況にあると言えます。しかし、国の主張にも穴が出てくることがあります。その穴を突くには、まず、国に十分な主張を尽くさせることが重要です。そうすると、国は以降矛盾した主張はできなくなります。そのうえで、他の同種事例を徹底的に調べ上げます。同種事例で国と同じような主張をしており、かつ、国の決定が取り消す判決が出ている場合、同種事例をもとに主張を組み立てます。ただ、同種事例で国が敗訴している事例を探すのは極めて困難でしょう。もう一つ考えられるのは、国の主張でいう事実に関する評価を攻撃することです。国は、〇〇という事実があれば、情報公開法上の●●という要件に当たると主張してくるでしょうから、その評価を争うということです。ここで難しいのは、そもそも非開示なので、国はおおよそこういうことが記載されているという主張することになり、ここで国に有利な表現をしてくるということです。例えば、ある団体の設立趣旨の部分が非開示にされていた場合、そこには意味のない事柄が記載されていても、国は「団体が他団体との差別化を図るための理念、その他運営のためのノウハウ」などと主張すれば、中身を知らない裁判官は、そういうことを前提に(国は嘘はつかないことを前提)に法律要件の該当性判断を行いますので、これもなかなか厳しいでしょう。まだ方法はあります。これは、かなりウルトラC的な方法ですが、問題となる団体以外の団体の同種情報についてもあらかじめ情報公開請求をしておくことです。仮に、問題となる団体の情報自体を隠したいと行政が判断した場合、その他の団体の同種情報は開示する可能性があります。そうすると、その事実を証拠として、本件非開示の違法性を争うという方法です。この方法を使った事例は知りませんが、ほとんど勝てない情報公開請求事件では考えてもよい手段かと思います。なお、国側指定代理人のリーダーは、法務局の部付検事です。私の数少ない経験では、裁判官の方が出向されていることが多く、この部付検事は優秀な方が多い印象です。書面の構成、判例の引用方法、メインの論点の考え方(書面の構成の一部)など相当勉強になりました。 Q 不動産を購入したが、建物を建てる時に地下から埋設物が出てきた。それを撤去するのに1億円かかるのだけれども、売り主に請求できないか? A 契約不適合責任を追及できる可能性があります。民法改正前は瑕疵担保責任が定められていましたが、新法では契約不適合責任と変更されています。現行法では、要するに契約内容に適合しているか否かを判断することになりますので、地下の埋設物がないことが契約の内容となっていたという場合には、損害賠償等の請求ができることになります。 Q 瑕疵担保責任と契約不適合責任の違いを教えてください。 A 瑕疵担保責任は無過失責任でした。つまり、売主に過失がなかった場合でも責任を負わされました。他方、損害賠償は信頼利益に限られました。当該契約を信頼したことによる損害のみが賠償の対象となり、正しい(この場合、瑕疵のない)契約を前提に、例えば、土地を転売して得られた利益(履行利益といいます。)までは、請求できませんでしたが、新法では履行利益まで請求できます。その他、「隠れた」の要件の消滅、代金減額請求の範囲の拡大、契約解除場面の拡大、追完請求権の新設等があります。 Q 商標とは何ですか? A 条文を引用しますので、少し難しいですが、人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状もしくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの(以下「標章」という。)であって、業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの、又は、業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもののことをいいます。簡単にいうと、商品やサービスの名前やロゴなどその商品やサービスを表現するものということになると思います。 Q 商標登録とは何ですか? A 商標登録とは、商標を特許庁に登録することをいいます。これによって、商標権が発生します。商標権が発生すると、当該指定商品や指定役務について、その商標の使用する権利を専有することになります。 Q 商標権の有効期間を教えてください。 A 10年です。商標権者の更新登録の申請によって更新することができます。 Q 登録した商標と同じ商標で同じ商売をされているのが分かった。何ができますか? A 侵害の停止又は予防を請求することができます。また、停止又は予防の請求に際しては、物の廃棄や設備の除却などの請求もできます。 Q 商標権又は専用使用権の侵害行為の例を教えてください。 A 代表的なのは、指定商品や指定役務についての登録商標に類似する商標の使用があります。このほか、指定商品に類似する商品で、その商品の包装に登録商標を付したものを譲渡する行為、指定役務に類似する役務の提供にあたり、その提供を受ける者の利用に供する物に登録商標に類似する商標を付したものをその役務提供のために所持する行為などがあります。 Q 実際の額を算定するのが困難なんですが、そんな場合、商標権侵害の損害算定はどうするのですか? A 商標法では損害額の推定方法を規定していますので、それに基づき推定することも可能です。 Q 和菓子屋を営んでいますが、近隣でほとんど同じ名前の洋菓子屋が出店しているのに気づきました。馴染みのお客さんも当店と混同しているようで、同じ名前を使うのを止めさせられませんか? A 商標法では、指定商品・指定役務ごとに商標が登録されることになっていますので、貴社では商標登録されていれば、使用をやめさせることは可能です。また、商法では、不正の目的をもって、誤認されるおそれのある名称又は商号の使用を禁じており、これに違反する場合、その侵害の停止又は予防を請求することができるとあります。会社法でも同様の規定があります。そして、不正競争防止法では、店名や屋号として世間に広く認識されているものと同じであったり、類似した店名や屋号を使用し、他人の営業と混同を生じさせる行為は「不正競争」に当たるとしています。そして、不正競争によって営業上の利益を侵害されたり、そのおそれがある場合には、その使用の停止を請求できるとされています。このほか、損害賠償請求もできます。 Q 金融取引で適合性の原則というのがあると聞きました。どういう意味ですか? A 金融機関は、株式などの金融商品の勧誘を行う場合、顧客の知識・経験・財産状況、投資目的などを考慮したうえで、それぞれの顧客に見合った勧誘をしなければなりません。これを適合性の原則といいます。販売・勧誘を行ってもよいと判断される場合でも、当該顧客の属性に照らして当該顧客に理解されるために必要な方法及び程度による説明を行う必要があります。金融商品取引法上に規定されており、商品先物取引についても商品先物取引法に規定されています。 Q 不招請勧誘禁止とは? A 不招請勧誘禁止についていえば、金融商品取引業者やその役員、使用人等は、金融商品取引契約(当該金融商品取引契約の内容その他の事情を勘案し、投資者の保護を図ることが特に必要なものとして政令で定めるものに限る。)の締結の勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問し又は電話をかけて、金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為を行ってはならないということです。 Q 説明義務という言葉をよく聞きます。どういう意味ですか? A 説明義務は様々な場面で使用される言葉だと思います。お医者様の場合、インフォームドコンセントの意味でしようされます。金融商品の場合、金融商品取引業者等に金融商品及び金融商品取引に関する重要事項を記載した書面を交付し、これを顧客に理解できるように説明する義務をいいます。このような義務を課すことで、投資家の保護が図られています。 Q 私は、投資経験がなかったものの、商品先物取引で受託会社との間でとうもろこしを対象とする商品先物取引を行いましたが、約4ヶ月で委託証拠金は約2,000万円も支出したのにもかかわらず、取引終了段階で返金されたのは200万円でした。ほとんどが取引手数料に消えました。業者に何か言えないでしょうか? A 個別的な事情(担当者とのやりとりなど)にもよりますが、あなたが投資経験がなかったにもかかわらず、短期間で1,800万円の損失が出て、ほとんどが手数料ということになれば過当取引であり、信義則上の新規委託者保護義務違反が認められる可能性があります。また、手数料稼ぎの目的が認定される可能性も高く、この場合、指導・助言義務、信任・誠実公正義務に違反する可能性があります。 Q 家族信託とは何ですか? A 家族信託とは、家族に自己の財産を信託(預けて、管理・運用・処分してもらう)し、財産管理をしてもらうことをいいます。後見人を選任するのがためらわれる場合などに、最近注目されている制度です。 Q そもそも「信託」とは何ですか? A 信託には、財産を預ける「委託者」といい、財産を預かる人を「受託者」といいます。そして、財産の管理・運用・処分によって利益を受ける人が「受益者」ということになります。委託者と受益者は同一人物ということもあります。信託は、委託者が財産を受託者に預け、受託者が管理等を行い、利益を受益者が受けるという仕組みをいいます。 Q 家族が逮捕されました。まずは何をすればよいでしょうか? A 逮捕されると、通常は警察にある留置施設で身柄が拘束されます。そして、72時間以内には勾留請求されることが多く(中には微罪処分として釈放される場合もあります。)、勾留が認められればさらに身柄拘束が続きます。身柄拘束中に耐え兼ね、やっていないことを自白し、早く解放されようとする心理も働きます。ですから、まずは弁護士を選任し、早期に接見してもらうことが重要です。特に否認事件の場合には、早期の接見が重要です。早期に接見することで、今後の流れが理解でき、精神的にも落ち着く可能性があります。 Q どのような場合に家族信託すると良いでそうか? A 認知症などに備える必要が出てきたとき、後見人の選任よりも柔軟な財産管理をしたいとき、早期に資産承継を始めたいときなどが考えられます。 Q 国選弁護人と私選弁護人では弁護活動の内容は異なりますか? A これは、その弁護士次第でしょう。当職の場合、どちらであれ、基本的には変わりません。国選であっても手を抜くということはしません。 Q 逮捕から判決までの簡単な流れを教えてください。 A 仮に警察官に逮捕状により逮捕された場合、通常は、警察の留置場で身柄拘束され、48時間以内に検察官に送致されます。検察官は、留置の必要があと判断した場合、24時間以内に勾留の請求をしなければなりません。相当軽い事件でなければ、逮捕・勾留されることが多いでしょう。勾留請求を受けた裁判官は、勾留すべきかどうかを判断し、勾留が認められた場合、検察官は、10日以内に公訴提起するか釈放するかしなければなりません。ただし、勾留は最大10日延長可能です。そうすると、逮捕から勾留請求まで72時間、勾留期間は最大20日となり、起訴までに最大23日身柄拘束されることになります。起訴後の勾留は、公訴提起があった日から2か月とされ、1か月毎に更新可能です。一般に保釈請求しないで、勾留がいきなり更新されなくなるということはありません。なお、起訴後1~2か月程度すると第1回の公判期日が入り、自白事件であれば、2回の期日で終わることも多いです。これが、裁判員裁判となると、公判前整理手続きがあり、その後に公判期日が入ります。公判は短期間に集中して期日が入り、審理されることになります。なお、期日の回数は事件によって異なります。 Q 保釈金ってどれくらい必要ですか? A 犯罪の性質、情状、証拠の証明力、や被告人の性格や資産を考慮して定められます。当職の経験では100万円~300万円が多いのではないかと思います。裁判所にある程度交渉することも可能です。もちろん、値切るということではなく、事情を説明するという意味です。芸能人の場合などは、高額になる傾向にあるのではないでしょうか。