遺留分の制度とは、例えば遺言で「全財産をAにあげる」と書かれていた場合に、本来は相続するはずだった一定の相続人に最低限の財産が確保できるようにした制度です。そして、この最低限の財産を「遺留分」といいます。
事例別カテゴリー3のアーカイブ:
相続人はすべて遺留分を主張できるのですか?
いいえ。遺留分は、被相続人の配偶者、子などの直系卑属、父母など直系尊属には認められていますが、兄弟姉妹には認められていません。
遺留分は自動的にもらえるのですか?
いいえ。遺留分は主張する必要があります。この主張を「遺留分侵害額請求」(以前は、「遺留分減殺請求」と言いました。)といいます。
遺留分侵害額請求(遺留分減殺請求)に時効はありますか?
遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅します。相続開始の時から10年を経過したときも、同様です。
相続放棄をしてしまいましたが、遺留分を主張できますか?
できません。
遺留分の割合を教えてください。
直系尊属のみが相続人の場合は3分の1です。その他の場合は2分の1です。相続人が複数いる場合、各自の相続分を掛けた割合となります。
遺留分を算定するための財産の価格について教えてください
遺留分を算定するための財産の価格は、被相続人が相続開始のときに有していた財産価格に相続開始前の一定期間に贈与した財産価格(例外あり)を加えた額から債務の全額を差し引いた額となります。なお、条件付き権利や存続期間の不確定な […]
被相続人は相続人に損害を加えることを知って贈与しました。このことは、贈与を受けた側も分かっていました。しかし、この贈与は3年前です。やはり、遺留分を算定するための財産には含まれないのでしょうか?
たしかに相続人に対する贈与以外については、原則1年前の贈与が対象です。しかし、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、1年前の日より前に贈与した場合でもその価格を遺留分を算定するための財産とし […]
民法改正によって変わった点について教えてください。
例をあげますと、改正前は、相続人に対する生前贈与は、いつまでも遡って遺留分算定の基礎としていました。しかし、改正民法では、相続人が亡くなる10年以内となりました。
遺留分算定の際に、相続人に対する贈与とその他の人に対する贈与では期間以外に違いはありますか?
相続人に対する贈与の場合は、婚姻もしくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価格に限るとされています。